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Tyees_Cafe

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名前付きベートーヴェンピアノソナタ

2006.1.10. 2006.1.11.2006.1.14.修正版、一部2009.1.26.修正版

名前付きのベートーヴェンピアノソナタについて
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「カギ括弧書き」は、通称あるいは愛称?
(マル括弧書き)は、楽譜の記述上、当初から名称がはいっていたものと推定されるもの。
{{{ }}}は、とある解説などに書いてあったもの。Tyeesの調べでは、複数のソースでの一致がないもの。
念のため、献呈の表記があるものについて、追加記述した。(2006.1.10.)

また、「熱情」についてであるが、
園田高弘校訂の春秋社版、ピアノソナタ第8番、ハ短調作品13「悲愴」の解説部分に以下の記述があることから、ベートーヴェン本人の標記という観点からは、一段落とした分類とした。(2006.1.11./2009.1.26.)
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この「グランド・ソナタ・パテティーク」(Grande Sonate Pathetique)という題名は、ベートーヴェン自身がつけた数少ない標題であり、出版社や後世の人たちがつけた他の標題、「月光」「葬送」「田園」「テンペスト」「ワルトシュタイン」「熱情」「テレーゼ」などとは、一般に区別して考えられる。標題の意味については、青年ベートーヴェンのパトスを表すものとされていて、標題には、青年の誇張した情熱と精神の高まりが感じられ、それらが発表と同時に世間一般の異常な人気を博した所以でもあったであろう。
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以上引用終わり

Pianistたけみちゃんさんより貴重なコメントをいただいたので、反映した。
コメントサマリーは、本文末参照。2006.1.14.



なお、以下は、あくまでも、Tyees流につき、正確性等については、それぞれの調査によられたい。。。

また、そもそも、ピアノソナタ何番という番号は、後につけられたのであろうから、たとえば、8番のソナタ「悲愴」は、正式には、

Grande Sonate Pathetique
Dem Fuersten Carl von Lichnowsky gewidmet
 Opus 13

等となるのでありましょうね。

また、ドイツ語など、ウムラウトはeをつけて表現するなどとしていますので、正式表現については別となります。留意願います。

なお、本件について、御協力をいただいた皆様、本当にありがとうございます。



----------サマリー1-----------簡易分類-----
○公式名付き・・・・楽譜上に標記等がなんらかの形で存在し、なおかつ、同標記が、ベートーヴェン自身による記述であると推定されるもの
8番・・・Grande Sonate Pathetique Op.13・・・「悲愴」
29番・・・Sonate fuer das Hammerklavier Op.106・・・「ハンマークラヴィーア」
-
13番/14番 Op.27-1/2・・・Sonate quasi una Fantasia・・・「幻想(風)ソナタ」
19/20番 Op.49-1/2・Zwei leichte Klaviersonaten・・・「(2つの)やさしいソナタ」
25番(Sonate Op.79)・・・「ソナチネ」
26番Op.81a・・・Das Lebewohl(Les Adieux)・・・「告別」


○第三者によるネーミング、通称、愛称の類いと推定されるもの(出版社が独自に記したものを含む)

4番(Sonate Op.7)・・・「恋する乙女」
10番(Sonate Op.14-2)・・・「夫婦ソナタ」/「夫婦喧嘩」
11番(Sonate Op.22)・・・「グランド・ソナタ」
12番(Sonate Op.26)・・・「葬送」
14番(Sonate quasi una Fantasia Op.27-2)・・・「月光」
15番(Sonate Op.28)・・・「田園」
17番(Sonate Op.31-2)・・・「テンペスト」
18番(Sonate Op.31-3)・・・「狩」
21番(Sonate Op.53)・・・「ワルト(ド)シュタイン」
23番(Sonate (Appassionata) Op.57)・・・「熱情」・・・出版者のクランツ氏の命名とのこと。
24番(Sonate Op.78)・・・「テレーゼ」
25番(Sonate Op.79)・・・「郭公」・・・「ソナチネ」が正式
28番(Sonate Op.101)・・・「ドロテア・チェチリア」

○番外
32番(Sonate Op.111)・・・{{{ジャズソナタ}}}
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----------サマリー2-----------やや細かく分類-----
第一に、「悲愴」、「ハンマークラヴィーア」
以上が楽譜上に標記等がなんらかの形で存在し、なおかつ、同標記が、ベートーヴェン自身による記述であると推定されるもの、公式名称の類い。
・Grande Sonate Pathetique Op.13・・・・8番
・Sonate fuer das Hammerklavier Op.106・・・・29番

第二に、「幻想(風)ソナタ」Op27の2曲と「告別」、「(2つの)やさしいソナタ」、「ソナチネ」
・Sonate quasi una Fantasiaの表記が楽譜上にある。13番Op.27-1/14番Op.27-2
・Das Lebewohl(Les Adieux)の表記が楽譜上にある。26番Op.81a
・Zwei leichte Klaviersonaten・楽譜表紙に記述あり。19/20番 Op.49-1/2
・25番(Sonate Op.79)・・・「ソナチネ」(ソナチネは、ベートーヴェン自身により、初出版時に付されたタイトルとのこと)(郭公の呼び名もあるが、こちらは、以下の第三者による通称、愛称の類いと推定される)


以下は、第三者による通称、愛称の類い(出版社が独自に記したものを含む)
第三に、
12番(Sonate Op.26)・・・「葬送」・・・葬送行進曲がついているという意味で。
21番(Sonate Op.53)・・・「ワルト(ド)シュタイン」・・・献呈者名から
23番(Sonate (Appassionata) Op.57)・・・「熱情」・・・出版者のクランツ氏の命名とのこと。
24番(Sonate Op.78)・・・「テレーゼ」・・・献呈者名から
28番(Sonate Op.101)・・・「ドロテア・チェチリア」・・・献呈者名から

第四(その他)として、
4番(Sonate Op.7)・・・「恋する乙女」・・・ミケランジェリのLPに記載された名前、この曲1曲で初出LPが出たためかも…とのこと。
10番(Sonate Op.14-2)・・・「夫婦ソナタ」・・・園田高弘校訂版楽譜解説より/「夫婦喧嘩」・・・あの著名な『シンドラー』の日記が、ソース、戦前発売のSP(例えばケンプのSP)には時折見られるとのこと。
11番(Sonate Op.22)・・・「グランド・ソナタ」・・・とあるホームページ解説/バックハウスのLPには、モノラルの方もステレオの方も初出時には書かれてあったとのこと。
14番(Sonate quasi una Fantasia Op.27-2)・・・「月光」(上記と一部だぶるが)
15番(Sonate Op.28)・・・「田園」
17番(Sonate Op.31-2)・・・「テンペスト」
18番(Sonate Op.31-3)・・・「狩」 ・・・・クララハスキルのCD解説情報よりとのこと
25番(Sonate Op.79)・・・「郭公」/(「ソナチネ」が正式)・・・とある楽譜等の解説から

第五(番外)として、
32番(Sonate Op.111)・・・{{{ジャズソナタ}}}・・・2楽章(未来的?)についてのとある評論から、
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以下詳細。参考まで。
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1番(Sonate Op.2-1)・・・Jeseph Haydn gewidmet.
2番(Sonate Op.2-2)・・・Jeseph Haydn gewidmet.
3番(Sonate Op.2-3)・・・Jeseph Haydn gewidmet.・・・荘厳な2楽章。
4番(Sonate Op.7)・・・Der Graefin Babette von Keglevics gewidmet.
・・・「恋する乙女」・・・ミケランジェリのLPに記載された名前、この曲1曲で初出LPが出たためかも…とのこと。
5番(Sonate Op.10-1) ・・・Der Graefin von Browne gewidmet.
6番(Sonate Op.10-2)・・・Der Graefin von Browne gewidmet.
7番(Sonate Op.10-3) ・・・Der Graefin von Browne gewidmet.
8番(Sonate (Grand Sonate Pathetique) Op.13)・・・Dem Fuersten Carl von Lichnowsky gewidmet.・・・「悲愴」
9番(Sonate Op.14-1) ・・・Der Baronin von Braun gewidmet.
10番(Sonate Op.14-2)・・・Der Baronin von Braun gewidmet.
・・・{{{夫婦ソナタ}}}・・・園田高弘校訂版楽譜解説より/「夫婦喧嘩」・・・『シンドラー』の日記がソース、戦前発売のSP(例えばケンプのSP)には時折見られるとのこと。

11番(Sonate Op.22)・・・Dem Graefen von Browne gewidmet.・・・ 「グランド・ソナタ」・・・とあるホームページ解説/バックハウスのLPには、モノラルの方もステレオの方も初出時には書かれてあったとのこと。
12番(Sonate Op.26)・・・「葬送」、1楽章変奏曲。3楽章葬送行進曲。
13番(Sonate (Sonata quasi una Fantasia)Op.27-1)・・・幻想(風)ソナタ
14番(Sonate (Sonata quasi una Fantasia)Op.27-2)・・・「月光」・・・幻想(風)ソナタ
15番(Sonate Op.28)・・・「田園」
16番(Sonate Op.31-1)
17番(Sonate Op.31-2)・・・「テンペスト」
18番(Sonate Op.31-3)・・・「狩」 ・・・・クララハスキルのCD解説情報よりとのこと
19番(Sonate Op.49-1"Zwei leichte Klaviersonaten")・・・「(2つの)やさしいソナタ」
20番(Sonate Op.49-2"Zwei leichte Klaviersonaten")・・・「(2つの)やさしいソナタ」
21番(Sonate Op.53)・・・Dem Grafen von Waldstein gewidmet.・・・「ワルト(ド)シュタイン」
22番(Sonate Op.54)
23番(Sonate (Appassionata) Op.57)・・・Dem Grafen Franz von Brunswick gewidmet.・・・「熱情」・・・出版者のクランツ氏が1838年に≪ソナタ・アパッショナータ≫と名づけたもの
24番(Sonate Op.78)・・・Der Graefin Therese von Brunswick gewidmet.・・・「テレーゼ」
25番(Sonate Op.79)・・・「ソナチネ」・・・ベートーヴェン自身により、初出版時に付されたタイトル
「郭公」・・・とある楽譜等の解説から(第三者によるものと推定される)
26番(Sonate Op.81a Das Lebewohl(Les Adieux))・・・Dem Erzherzog Rudolph gewidmet.・・・「告別」 ・・・2楽章は不在、3楽章は再会?
27番(Sonate Op.90)・・・Dem Grafen von Lichnowsky gewidmet.・・・2楽章美しい。
28番(Sonate Op.101)・・・Der Freiin Dorothea Ertmann gewidmet.・・・「ドロテア・チェチリア」
29番(Sonate (Sonate fuer das Hammerklavier) Op.106)・・・Dem Erzherzog Rudolph gewidmet.・・・「ハンマークラヴィーア」
30番(Sonate Op.109)・・・Fraeulein Maximilliana Brentano gewidmet.・・・叙情的3楽章。
31番(Sonate Op.110)・・・・・・第3楽章「嘆きの歌」
32番(Sonate Op.111)・・・Dem Erzherzog Rudolph gewidmet.・・・{{{ジャズソナタ}}}・・・とある2楽章(未来的?)についての評論から、



P.S.
Pianistたけみちゃんさんより、以下のコメントをいただきました。大変参考になりました。ありがとうございます。

--以下コメントサマリー
出版者のクランツ氏が1838年に≪ソナタ・アパッショナータ≫と名づけたものですね。(January 10, 2006 23:36:31)

ベートーヴェン自身により、初出版時に付されたタイトルは以下ですべてのようですね。
作品13≪悲愴≫
作品27≪幻想風ソナタ≫
作品49≪やさしいソナタ≫
作品79≪ソナチネ≫
作品81a≪告別≫
作品106≪ハンマークラヴィーア≫

参考文献:
・ヨーアヒム・カイザー著「ベートーヴェン32のソナタと演奏家たち」
・諸井三郎著「ベートーヴェンピアノソナタ-作曲学的研究-」
・伊藤義雄著「ベートーヴェンのピアノ作品」
・カール・ツェルニー著「ベートーヴェン全ソナタ作品の正しい奏法」
・パウル・バドゥーラ=スコダ著「ベートーヴェンピアノ・ソナタ演奏法と解釈」

なお、我が家にあります、「熱情」の自筆譜ファクシミリ(1979年発行)によりますと、作曲者自身は、タイトルを単に「Sonata」とだけ記しております。また右肩にあるはずのベートーヴェンの署名は、解説者によりますと、サイン収集マニアの仕業で、切り取られているそうです。全44ページの完全ファクシミリで、名曲解説全集全24巻(別巻1冊補巻3冊除く)の予約購入者特典であったもので、非売品です。(January 10, 2006 23:56:51)

--以上引用終わり--


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